バーテンダー 高梨寛実 氏に聞く 『シンガニ』の魅力

このシンガニの美味しさはボトルを開けた瞬間にわかる

これまでにない、フルーツブランデー専門バーとして2017年にオープンしたBAR B&F。B&Fとは、Brandy made from Fruits(ブランデーはフルーツから出来ている)の略で、カウンターに立つ高梨寛実さんはその奥深さの虜になったひとり。店長となって日はまだ浅いがフルーツブランデーへの造詣は深い。そんな高梨さんはシンガニについて、素材も製法もフルーツブランデーと非常に近いものとして魅力を感じているという。高梨さんが操るシンガニカクテルとはいかに。
(撮影場所:BAR B&F)

高梨さんは以前からシンガニをご存知でしたか。

実は僕も1年ほど前に知ったばかりなんです。ロス パラレスとは別ブランドのシンガニを手に入れて、美味しいなって思って。ただ、日本では売っていなかったので取り扱う方法がありませんでした。そんな時、ロス パラレスが正式に日本で販売されると知って、やったーって思いました(笑)。6本まとめて購入しましたが、約半月で4本空いてしまうほどお客様の評判も良かったんです。中には、ボリビア在住のお友達のところへ何度か訪れたことがあるというお客様もいて、シンガニを懐かんでいらっしゃいました。ここまでお客様の評判が高いのは圧倒的な香りの良さにあると思います。フルーツブランデーもそうですが、キャップを開けた瞬間の香りでそのお酒の美味しさがわかるんです。このロス パラレスも例外ではありませんでしたね。

シンガニもフルーツブランデーと同じカテゴリーですか。

そうですね。フルーツブランデーは主にヨーロッパで親しまれていますが、主原料はプラムや洋ナシ、アプリコットなどが多いですね。フルーツマッシュと言ってそれらの果物をペースト状にして発酵し、その後蒸溜する、発酵蒸溜の製法です。蒸溜後は樽熟成ではなくステンレスタンクで熟成させるので、液体は無色透明になります。マスカット・オブ・アレキサンドリアを原料にワインをつくり、それを蒸溜してステンレスタンクで熟成させるシンガニは、フルーツブランデーと非常に近いと思います。ヨーロッパのフルーツブランデーは、原料のフルーツや生産地によって呼び名が変わりますが、シンガニは原産地名称保護の対象になっているので、そういう意味ではブランドとしてしっかり確立しているなって思います。

▲シンガニの存在を知ったのは1年ほど前という高梨さん。圧倒的な香りの良さに惚れ込んでしまったとか。

▲高梨さんオリジナルのシンガニカクテル「La Paz Sour(ラ パス サワー)」。マスカットの香り成分と同じバラが使われている。
カクテルにする際のポイントやコツはありますか。

そのままストレートで飲んでも美味しいですが、あまりお酒が強くない方にはトニック割りがおすすめです。シンガニも含めフルーツブランデー全般、果実由来ですのでトニックウォーターの甘さと相性がいいんです。炭酸で湧き上がってくる香りもいいですしね。中には、味があっさりしているものもありますが、ロス パラレスにはコクがあるんです。だからトニックウォーターと合わせても負けないんですよ。カクテルにするならやはり柑橘との相性は抜群ですから、使い方は数限りなくあると思います。香りが高いのでベースに使わずとも仕上げにスプレーしてもいいかもしれません。ボリビアの伝統的なカクテル「テコンテ」のようにやはり紅茶との相性がいいし、コーヒーに入れても香りが立つと思います。だから、バーだけではなく、お酒を提供するカフェでも使いやすいかもしれないですね。


高梨 寛実 (たかなし ひろみ)

Bar BenFiddichで鹿山氏の元で研鑽を積み、2017年にBar BenFiddichの2号店として「BAR B&F」がオープン。現在店長を務める。

高梨 寛実さんオリジナルシンガニカクテル

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